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国内留学を通じた学びと経験
― 千葉西総合病院での10ヶ月間 ―

 現在卒後12年目、三井記念病院心臓血管外科に所属しております東野旭紘と申します。2024年6月から2025年3月までの10ヶ月間、千葉西総合病院心臓血管外科に国内留学という形で研修させていただきました。中村先生をはじめとするスタッフの皆様には温かくご指導いただき、充実した経験を積むことができました。今後、同様の研修をお考えの方々に、少しでもその魅力をお伝えできればと存じます。

 卒後5年目三井記念病院で心臓血管外科研修を開始して以来同じ施設で研修を重ねていた私に千葉西総合病院への国内留学の話をいただいたのは2024年の3月でした。三井記念病院の部長の大野先生と中村先生がお知り合いで、「東野、ちょっと千葉西に行ってみるか?」と声をかけていただきました。低侵襲手術を中心に学べるハイボリュームセンターでの研修に大変興味を抱き、すぐに了承し見学に伺いました。

三井記念病院心臓血管外科
東野 旭紘

 見学の日には朝から中村先生のRobot MVP, MICS AVRを見学し、その後研修と今後のキャリアについて親身にお話しいただきました。まだ自施設でも独立して手術を始めるかどうかというタイミングで不安もありましたが、思い切ってチャレンジしてみることに決めました。

 実際働き始めてみると1日に3件並列して手術が始まって4件以上の手術があることも珍しくありませんでした。入院患者数も多く非常に多忙な日々に最初は圧倒されました。学会活動においてもレジデントも含めて全員が演題を出し、臨床面、学術面の両方で日本トップレベルの治療を目指す姿勢に大変刺激を受けました。幸い先生方や他のスタッフの皆様に温かく迎えていただき、すぐに職場に馴染むことが出来ました。

 多くの症例を担当させていただき、予定手術に加えて大動脈解離や大動脈瘤破裂などの緊急症例についても独立術者として多数経験できました。10ヶ月で154件の手術に参加し、そのうち101件で執刀、10件では指導的助手を務めました。

 低侵襲手術の研修という点ではMICS-AVRに19件に参加し、最後の2ヶ月では5件執刀させていただきました。学会発表に機会にも恵まれ、胸部外科学会、冠疾患学会、弁膜症学会で発表の機会をいただきました。また、PERCIVALおよび Da-vinci 1st assistantの資格も取得し、現在は論文を1本執筆中です。開窓TEVARやRobot MVP, 小開胸不整脈手術などさらに学びたい分野も多くありましたが、2025年3月をもって研修を終えました。

 中村先生にはまだ未熟な私に多くの貴重な症例を経験させていただいたことに加え、各症例の振り返りや今後のキャリアなどについても親身にご指導いただきました。素晴らしいチームの一員として10ヶ月働かせていただけたことは私のキャリアにおいて非常に大きな財産であり、今後にしっかりと活かしていきたいと思っております。心より感謝申し上げます。

 今後国内留学を検討されている先生方にとっても非常に有意義な研修となることは間違いありません。まずはぜひ一度、見学にいらっしゃることをお勧めいたします。

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